■五月病■
五月病(六月病)は、医学的には
「適応障害」と診断されます。
新しい環境に順応できない、または適応しようとがんばり過ぎた結果に生じたうつ的状態で、
燃え尽き症候群、荷おろし症候群、空き巣症候群、スーパーウーマン症候群などと呼ばれることもあります。
五月病(六月病)は通常一過性ですが、ストレスを抱えたまま引きずってしまうこともありますので、そうならないための予防が大切です。
■環境が変わったとき■
環境が新しく変わり目の前の出来事に夢中になっている間は症状が現れませんが、一段落して緊張が緩んでくる頃に異変が現れます。
新入生や新入社員は5月から6月頃に症状がみられがちです。学生の場合は、ときに長い夏休みが明ける9月に症状が現れることもあります。
■五月病を漢方的に考える■
中医学では五月病を「
肝鬱気滞」と「
陰陽バランスの乱れ」の状態ととらえます。四月に入りやる気とチャレンジ精神に満ちて新しい環境に臨んだのに、人間関係が難しい、期待と現実のギャップ、周囲の大きすぎる期待、目標を失った喪失感、努力が報われないなどで閉塞感を感じてしまうとき、体の中では精神作用と関連の強い「
肝」がダメージを受けます。
イライラする、気分がふさぐ、胸やわき腹が張って苦しいなどのストレスからくる状態を中医学では「肝鬱気滞」と呼びます。「
気」は体の中を流れるエネルギーです。この「気」が「肝」の支配のもとスムーズに働くことによって、血液や水分が全身をくまなく流れる事が可能となります。
さらに五月病は、
交感神経(陽)と
副交感神経(陰)がバランスを欠いた状態と考えます。中国哲学を現代風にアレンジすると、【陽=気=機能】、【陰=血=物質】ととらえることができます。この失調状態を改善することで、人間の体に本来備わっている心身のバランス調整能力を取り戻すことが可能です。
■五月病になりやすい性格■
五月病(六月病)は一般に
□マジメで
□几帳面な人がかかりやすいと言われています。
□完璧主義な人や
□自分を抑えて相手に合わせてしまう人、
□内面的で優等生タイプの人なども危険です。
けれど、そのような人でも、ストレスを自覚してペースダウンしたり休息を取ることを心がけることでうつ的状態を回避することができます。
■症状はさまざまです■
カラダの症状 |
□疲れやすい
□いくら寝ても朝起きられない(布団から出られない)
□終わり食欲がわかない
□めまい/吐き気/頭痛
□腹痛/便秘/下痢
□不眠
□動悸
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ココロの症状 |
□やる気が出ない
□イライラする(自分に対して情けない気持ち)
□何となく落ち込んでいる
□何をするのも億劫
□興味や関心がわかない
□思考力や判断力が保てない
□不安や焦りを感じる
□誰とも話したくない
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行動面の症状 |
□酒やタバコの量が増える
□つい食べ過ぎる
□刺激物を好むようになる
□出掛けようと思っても引き返してしまう
□電車に乗れない
□「おはよう」「ありがとう」などの普段使う言葉が出てこない
□仕事の能率が落ちたり、ミスが増える
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この中で強い症状がひとつでも出ていたり、半分近く思い当たることがあれば、うつ状態(五月病・六月病)である可能性があります。
五月病(六月病)も含め、ストレスがたまってくると心身は適応能力の限界を超え、心や体に変調をきたします。けれど、どれも特別な症状でないために本人が病態に気付かないこともあるので、家族や職場の仲間など周りの人が気付いてあげる事が本人にとって大きな助けとなります。
■五月病になってしまったら■
【早めの対処】
●充分な休養をとって、ときにはのんびり過ごしましょう。
●趣味の時間や何かに夢中になる時間をとるなどして、気分転換を図りましょう。
【ストレスとは上手に付き合いましょう】
●ストレスは前向きにとらえましょう。
「この辛い試練は私を成長させるチャンス☆」
●完璧主義は卒業しましょう。
失敗してもいいんです。失敗は成功の肥やしです。
●自分のストレスを分析してみましょう。
原因がわかると対処法を見つけやすくなります。
●できないことをできない言いましょう。
病気になるほどがんばらなくてもいいんです。時には逃げることも必要です。
●たまには愚痴をこぼしましょう。
悩みを話せる友人は宝物です。
●自分のリフレッシュ方法を見つけましょう。
入浴、森林浴、ガーデニング、ペットを飼う、旅行、スポーツ、音楽など。
■五月病の漢方薬、ハーブティ
肝の働きを高めて気の巡りをよくするもの、不足した気・血を補うものが有効です。
・【シベリア人参】
…シベリア人参(エゾウコギ:刺五加[えごか])のハーブティ
・【菊花茶・きっかちゃ】
…目や頭をすっきりさせる杭菊花のハーブティ
・【香ロゼア】
…ラジオラ・ロゼア(ベンケイソウ:紅景天)のハーブティ
・【星火健胃錠・せいかけんいじょう】
…比較的体力がなく、胃腸の働きの弱いものの次の諸症:
胃炎、胃アトニー、胃痛、腹痛、食欲不振、上腹部不快感、腹部膨満感、
悪心、下痢
・【十全大補丸・じゅうぜんだいほがん】
…貧血症、産後・病後の回復促進、虚弱体質、胃弱、食欲不振、婦人諸症
(月経不順、月経痛、冷え込み)
・【帰脾錠・きひじょう】
…貧血、不眠、健忘
・【加味逍遙散・かみしょうようさん】
…虚弱体質で、肩が凝り、疲れやすく、精神不安など精神神経症状、
ときに便秘の傾向がある次の諸症:冷え性、虚弱体質、月経不順、
月経困難、更年期障害、血の道症
・【開気丸・かいきがん】
…胃腸疾患に伴う次の諸症状:吐き気(むかつき、胃のむかつき、
嘔気、悪心)、胸のつかえ、腹部膨満感、腹痛、胃痛、食欲不振、
消化不良、下痢、腹部膨満感を伴い繰り返し又は交互に現れる下痢
及び便秘
・【半夏厚朴湯・はんげこうぼくとう】
…気分がふさいで、咽喉・食道部に違和感があり、ときに動悸、めまい、
吐き気などを伴う次の諸症状:不安神経症、神経性胃炎、つわり、
咳、しわがれ声
・【柴胡加竜骨牡蠣湯・さいこかりゅうこつぼれいとう】
…精神不安があって、動悸、不眠などを伴う次の諸症状:
高血圧の随伴症状(動悸、不安、不眠)、神経症、更年期障害、
小児夜泣き
・【桂枝加竜骨牡蠣湯・けいしかりゅうこつぼれいとう】
…体質の虚弱な人で疲れやすく、興奮しやすいものの次の症状:
神経質、不眠症、小児夜泣き、小児夜尿症、眼精疲労
・【苓桂甘棗湯・りょうけいかんそうとう】
…動悸があり神経の高ぶるもの
・【甘麦大棗湯・かんばくたいそうとう】
…夜泣き、ひきつけ
上記の漢方薬・ハーブティは五月病に使われるもののほんの一例です。漢方薬をご所望の際はお近くの漢方の専門家にご相談の上お飲みいただくことをお薦めします。
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